新型コロナウイルス感染症対策等に「災害対策」を求める

弁護士有志発起人 弁護士(仙台) 新里宏二

1 はじめに

 阪神淡路大震災、東日本大震災等を経験し、被災者支援に全力で取り組んできた有志の弁護士が、今回の新型コロナウイルス感染症(以下、「コロナ禍」という)対策に災害対応を求めている。私は、弁護士有志の呼び掛け人の一人である。

 コロナ禍では、国、各地方公共団体が様々な対策を講じているものの、いまだ不十分である。現在の対策の他、「災害対策基本法」などの災害対策法制を活用することで、さらなる対策が可能と考え、緊急提言を行うこととした。

 2020年4月16日第一弾の緊急提言の発出以降、5月28日までに第六弾にわたる緊急提言を行った。ここでは、紙面の関係上要点のみ指摘することとする。

2 「激甚災害に対処するため、特別の財政援助等に関する法律を活用した雇用保険の基本手当の支給」等第一弾(2020年4月16日)

 新型コロナウイルス感染症の拡大を、「激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律」(以下、「激甚法」という)の「激甚災害」と認定または制度転用することで、激甚法第25条に基づく「雇用保険法による求職者給付の支給に関する特例」を活用することができ・・・

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