第8章 欠陥商品

弁護士(大阪) 菅 聡一郎

 本年度は、平成16年3月から平成22年9月にかけて出荷販売された「茶のしずく石鹸」と称する薬用洗顔石鹸(医薬部外品)を使用したことによる重篤な小麦アレルギー被害事件について全国各地で提起された被害者集団訴訟のうち、最後の地裁判決(4例目)となった大阪地判平成31年3月29日〔5〕を紹介する。

 同判決は、上記石鹸の使用による小麦アレルギー被害について、同石鹸とアレルゲンとなった同石鹸の原材料(グルパール19S)の欠陥をそれぞれ認定し、同石鹸の製造販売業者2社と、原材料製造業者の計3社に対し、製造物責任法3条の損害賠償責任を認めたものである。

1 事案の概要

 原告Xらは、薬用洗顔石鹸である上記石鹸(本件石鹸)を使用したことによって、重篤な小麦アレルギー(本件アレルギー)を発症し、小麦含有食品を安全に安心して摂取できなくなることを中核とする重大な損害を生じたとし、本件石鹸及びその原材料のうち本件アレルギーのアレルゲンとなった加水分解小麦末(グルパール19S)にはそれぞれ欠陥が存在するとして、本件石鹸の製造販売を行った被告Y1及びY2、グルパール19Sの製造販売を行った被告・・・

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