弁護士(大阪) 増田 尚
1 事案の概要
大阪府下のA市に住む被保護者(母)は、一男一女の子と同居し、生活保護を受給していた。男子は、視覚障害があり、身体障害5級の認定を受け、療育手帳B1を交付され、特別児童扶養手当2級の対象児童であり、児童扶養手当及び特別児童扶養手当を受けていた。また、女子も視覚障害があり、身体障害3級の認定を受け、療育手帳Bを交付され、児童扶養手当及び特別児童扶養手当を受けていた。
男子は、平成30年5月に20歳に達したことから、児童手当、特別児童扶養手当の支給対象からはずれ、これにより、被保護者に対する児童扶養手当、特別児童扶養手当とも、支給額が減額された。
これを受けて、A市福祉事務所長(以下、「処分庁」という)は、男子が20歳に到達したことを理由として、6月分以降の保護費から男子の障害者加算を削除する決定をして(以下、「本件決定」という)、これを被保護者に通知した。
そこで、被保護者は、障害者加算を削除した本件決定には、障害者加算の支給要件の解釈適用を誤った違法があるとして、その取消しを求めて審査請求をした。
2 裁決の概要
審査庁である大阪府知事は、令和2年1月 27日付・・・
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