ヨーロッパ私法・消費者法の現代化と日本私法の展開

  • 編者:中田邦博、若林三奈、潮見佳男、松岡久和
  • 発行:日本評論社
  • 価格:7,500円(税別)

 本書は、ヨーロッパ契約法研究会の研究活動の成果を中心に編集されたヨーロッパの私法・消費者法、そしてそれに呼応する日本の私法の動向に関する論文集である。編者は、中田邦博教授(龍谷大学)、若林三奈教授(龍谷大学)、潮見佳男教授(京都大学)、松岡久和教授(立命館大学)の4名である。

 内容は非常に多岐にわたる。デジタルコンテンツの供給、オンライン・プラットフォームの規制、イギリスのEU離脱などのトピック的なものや、ドイツ、フランス、イタリア、ギリシアにおける広告規制、さらには、不公正取引方法指令の翻訳、日本における民法改正(錯誤等や約款)、消費者契約法の改正などに関する論稿が収められている。海外の研究者の論稿(翻訳)も多数に及ぶ。

 近年の日本の消費者法の発展は目を見張るものがあるが、必ずしもすべての分野で先進的な制度となっているわけではなく、また議論が進んでいるわけでもない。比較法的な知見・議論を知ることは、日本における今後の消費者法のあり方を考える上で非常に有益であるものの、専門の研究者ではない我々には、言語の・・・

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