デジタル広告で成立した契約の不実告知取消

弁護士(兵庫) 鈴木尉久

第1 はじめに

 デジタル広告に不実の記載があり、これを真実と誤認した消費者が、誤認を有したまま、事業者の運営するウェブページから契約締結の申込をする場合がある。

 旧来のマス広告(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌等)については、広告に不実告知(以下、事実不告知を含むものとする。)があったとしてもそれは景品表示法上の優良誤認・有利誤認を構成するにとどまり、景品表示法には民事効が規定されていないので、不実告知のある広告から誘引されて契約したとしても、当該契約について、消費者契約法4条1項1号、2項の不実告知等取消をすることはできないと考えられることが多かった。

 しかし、デジタル広告の場合は、このような考え方は必ずしも妥当せず、デジタル広告に不実告知の記載があれば、取消権を行使しうる場合が多いと考えられる。本稿では、デジタル広告で成立した契約の不実告知取消について論じる。

第2 デジタル広告の仕組み

 デジタル広告とは、インターネット上に表示される広告をいい、検索連動型広告(リスティング広告)、ディスプレイ広告その他がある。

 デジタル広告の大部分は、運用型広告である。運用型広告とは、アドテ・・・

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