弁護士(大阪) 三浦直樹
1 事案の概要
医療法人Xは、当初、大和証券の勧誘に応じて、「バランス投資」の方針を示しつつ、社債や定期預金等2億円余を預託した。
数か月後、東京の営業マンから数回説明を受け、契約の内容を充分理解しないまま、みなし元本を90億円とする円金利スワップション取引の契約に応じ、調整金1782万円を受領した。
ところが、その後、約9か月間で延べ10数回にわたって追加担保を求められ、総額にして数億円を積み増しさせられるに至った。恐怖を感じたXは、1年後の権利行使日まで待てずに中途解約し、違約金等として、金2億4900万円の損害を被った。
2 一審の経緯
訴状では、デリバティブ取引で発生しうる損失の大きさや可能性、および、損失発生の条件や理由といった具体的様相、中途解約が著しく制限されているために損失拡大に対する原告側の防衛策が事実上存在しないことなど、取引の実態について十分な説明を尽くさなかった、という一般的総花的な説明義務違反を主張したが、本件で問題となっているのは、権利行使後に顕在化した損害ではなく、権利行使前に予期せぬ高額な追加担保を求められたために中途解約を余儀なくされたこ・・・
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