旧統一教会問題の現状と今後の課題

弁護士(東京) 阿部克臣

1 はじめに

 2022年7月の安倍晋三元首相銃撃事件を契機に大きく社会問題化した旧統一教会問題は、2025年3月に東京地裁で解散命令決定が出て、現在、東京高裁で抗告審の審理が続いています。遅くとも来春にも高裁の決定が出るとも言われており、解散命令確定後は清算手続に移行し、旧統一教会問題は新たなステージに移ります。

 当職は、2022年に結成された全国統一教会被害対策弁護団の事務局次長等を務めるなどしてこの問題に取り組んできましたので、現状と今後の課題についてご説明します。

2 被害救済及び被害抑止に向けた活動

(1) 解散命令

ア 2022年10月、岸田文雄首相(当時)は、宗教法人法81条1項1号の解散事由である「法令」違反に民法の不法行為違反も入り得ると初めて国会答弁し、その調査のためとして、同年11月、永岡桂子文部科学大臣(当時)により、旧統一教会に対して宗教法人法上の報告聴収・質問権が行使されました。同権限はオウム真理教事件を受けた1995年の宗教法人法改正より創設されたものですが、行使されたのはこれが初めてでした。

 文部科学大臣は、計7回にわたり同権限を行使し、教団か・・・

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