市民バイオテクノロジー情報室代表 天笠啓祐
健康被害をもたらすとする調査結果
人工甘味料の危険性が、やっと認知され始めました。その背景には、ヨーロッパを中心に世界的に行われた大規模な調査研究があります。ヨーロッパで行われた調査では、ごく微量でも長期的に摂取すると、死亡率、肥満、糖尿病、心血管疾患、腎臓病、各種がんなどが増加するということが示されました。それとともにWHO(世界保健機構)も2023年5月に「人工甘味料を推奨しない」とするガイドラインを発表しました。
では具体的にどのような調査が行われたのでしょうか。もともと人工甘味料は、砂糖の数百倍という甘さです。その甘さが脳を刺激して、インシュリンの分泌を促すことが指摘されてきしました。フランスで行われた研究では、人工甘味料を摂取する人と摂取しない人とを比較した二つの大規模調査が行われ、ひとつの研究では、摂取者は糖尿病の発症リスクを高めることが分かり、もうひとつの研究では、心臓や血管などの循環器系での病気のリスクを高めることが分かりました。
英国では不整脈との関係が調査され、通常の糖質でも不整脈が増加しますが、人工甘味料ではさらに増加することが・・・
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