現場の声を政策に

(公社)全国消費生活相談員協会中部支部 清水かほる

 20数年前に消費生活相談員になり、今に至ります。近年消費者を取り巻く環境は、デジタル化、国際化、高齢化等、脆弱な消費者がいつでもトラブルに巻き込まれる状況になり、現状の法律や見守り体制、相談体制等その解決に向けた課題は山積です。私たち消費生活相談員の使命は、消費者被害の個別救済と未然防止ですが、年々解決の困難な事案が増え続け、啓発・教育は追い付いていません。時にはくじけて逃げ出したくなる衝動にかられますが、同僚と励まし合い、日々の課題解決に立ち向かっています。処遇改善もままなりませんが、困った人を助けたいというボランティア精神を持ち、精神力・体力・調整力を鍛え続け、最新の知識等のアップデートに切磋琢磨しています。

 第5期消費者基本計画(案)でもまた、「誰一人取り残されることのない社会の構築」と書かれていますが、実現への道のりは厳しいのではないでしょうか。法令を遵守している真面目な事業者が多い中、法整備の不備を悪用する極悪層の事業者がやりたい放題の状態で、そういった事業者の誘導で契約した消費者の被害が後を絶ちません。消費生活センターに相談し・・・

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