旧統一教会問題の核心と支援への提言

旧統一教会2世元信者 田村一朗(仮名)

教義による精神的束縛からの解放

 小学生の頃に両親が旧統一教会に入信し、私自身も約25年間、熱心な信者として様々な教団活動に明け暮れてきました。20代の頃は旧統一教会における信仰生活とコミュニティーが人生のすべてであり、教義が絶対の真理で教祖は救い主だと信じて疑わず、一家で高額献金や先祖解怨等に積極的に取り組んできました。

 2010年頃に教団の内部分裂が表面化し、信者や2世の凄惨な実態を数多く目の当たりにして信仰が揺らぎ始めました。そんな中で旧統一教会に関する研究書を手に取り、そこで指摘されていた教義の核心「堕落論」の矛盾点を読んだ時、目から鱗がポロリと落ちたように一瞬にして教義による精神的束縛が解けました。「なぜこんな単純な矛盾に25年も気付けなかったんだ!」という惜しさと「これからは自由にしていいんだ!」という解放感が入り混じったあの感覚は、今でも忘れることができません。

2世元信者として発信を始める

 それから数年後に起こった安倍元首相銃撃事件。報道やSNSを通じて声を上げた被害者の叫びに接して「自分があの教団で過ごした日々は、実はおびただしい被害の上で・・・

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