京都消費者契約ネットワーク例会「医療に対する消費者問題からのアプローチ」

適格消費者団体NPO法人京都消費者契約ネットワーク事務局 弁護士(京都) 錦見壽紘

1 はじめに

 2024年4月24日、京都消費者契約ネットワーク例会がハイブリットで開催され、現地14名、オンライン35名(講師含む)の計49名が参加し、「医療に対する消費者問題からのアプローチ」をテーマに日本医科大学武蔵小杉病院の勝俣範之先生と国立がん研究センターの一家綱邦先生に講演をしていただきました。

2 勝俣先生の講演

 勝俣先生には、「科学的根拠の乏しいがん医療について」の講演をしていただきました。科学的根拠のある医療といえるためには、何段階かの実験や臨床試験などを経なければなりません。しかし、大量ビタミンC療法やがん免疫細胞療法など効果が証明されていない医療が存在し、これらの医療の広告を見た患者が自由診療で高額の金銭を支払っているのが現状です。このような科学的根拠があるとはいえない医療、いわゆるトンデモ医療は、患者がダメもとで受けるため、効果がなくても満足度が高いなどの理由からなかなか問題とならず、ネットの普及から増加しているとのことでした。

3 一家先生の講演

 一家先生には、「自由診療で実施される科学的エ・・・

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