脱毛エステ業者の倒産と信販会社への責任追及

弁護士(埼玉) 木村智博

1 共通義務確認訴訟の提起

 特定適格消費者団体である埼玉消費者被害をなくす会(以下「なくす会」という)は、令和6年1月30日、信販会社であるライフティ株式会社(以下「ライフティ」という)に対し、消費者裁判手続特例法に則り、割賦金相当額の不当利得返還義務の確認を求める共通義務確認訴訟(第一段階目)をさいたま地方裁判所に提起した。

2 訴訟提起に至る経緯

 脱毛エステ業者である株式会社ビューティースリー(以下「ビューティースリー」という)は、全国で脱毛サロンを運営し、多数の消費者との間で、1回10万円計40万円等の高額な料金で「全身脱毛無制限コース」等と称する「1年間4回有料施術+5回目以降無料施術・期間無制限」を内容とする契約(以下「本件脱毛エステ契約」という)を締結した。しかし、同社は、令和5年9月25日、東京地方裁判所において、破産手続開始決定を受けた。その結果、契約者はその後の施術を受けられず、同社への返金請求も不可能となった。

 ビューティースリーと契約した者の約半数は、ライフティと個別信用購入あっせん契約を締結していた。ライフティは、「1年間4回有料施術」の部分のみ・・・

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