レスキュー商法業者に対する集団訴訟において、全国ではじめて不法行為を認定した判決
─京都地裁令和6年1月19日判決(令和3年(ワ)第2352号)─

弁護士(京都) 増田朋記

1 はじめに

 日常生活に生じる危急の状況につけ込んで、高額請求を行うというレスキュー商法については、古くから多くの被害相談がみられてきました。

 それが2020年秋頃から京都府内で被害が急増し、2021年1月に京都弁護士会所属の弁護士有志によって、レスキュー商法被害対策京都弁護団を設立しました。

 今回ご紹介するのは、その弁護団によって提起された訴訟事案についての判決です。

2 事案の概要及び当事者

(1)事案について

 本件の原告らは、自宅で発生したトイレ等の水回りのトラブルについて、ウェブサイト「水のトラブル緊急駆付隊」に記載された電話番号に電話をかけて、修理作業者の派遣を依頼しました。その結果、修理作業者らが原告らの自宅を訪れ、原告らは、それぞれ水回りの修理に関する工事請負契約の代金として10万円~165万円を支払わされてしまったのです。

 上記ウェブサイトのトップページには、「税込1000円~」などと表示されており、上記のような高額な請求は、原告らにとって全く予期しないものでした。しかし、明確な合意のないまま次々に作業が進められ、もはや支払うほかない状況に追い詰められてやむな・・・

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