フリーライター 白井康彦
「いのちのとりで裁判」の先行きは、見通しが立たなくなりました。2024年2月22日に津地裁で我々側勝訴の判決が出たときには「希望の光が増した」と感じましたが、強烈な暗転です。3月14日の仙台高裁秋田支部判決、4月26日の大阪高裁判決(兵庫訴訟の控訴審)がともに我々側の敗訴。しかも、あまりに酷い不当判決でした。この原稿を書いている5月20日時点では、この裁判の原告側から見た勝敗は地裁では15勝11敗と四つの勝ち越しですが、高裁では1勝3敗と冴えません。それでも、希望の光があちこちから射し込んできている感触はあります。
私が注視しているのは、名判決を書いた津地裁裁判長の竹内浩史さんの動向です。竹内さんのブログ「弁護士任官どどいつ集」の4月17日の投稿には感動しました。見出しは「『裁判所オンブズマン』始めました。俺がやらなきゃ誰がやる?」。竹内さんは2003年3月までは名古屋の弁護士でした。名古屋市民オンブズマンの主要メンバーで、行政の問題点を鋭くえぐり出していました。その竹内さんが裁判所の問題点を暴いていく裁判所オンブズマンの活動をやると決意表明してくれたのです。
竹内・・・
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