第11章 宗教

弁護士(大阪) 加納雄二

1 はじめに

 今年度は、宗教団体等への損害賠償を認めた判決の記事はない。

 ただ、まず、昨年の白書でも取り上げたが、納骨堂の問題については、139号に「都市型納骨堂「御霊堂元町」閉鎖への対応報告」(札幌)の記事があり、本号にはこの納骨堂問題の法的側面についての考察の記事がある。

 また、(旧)統一教会関係については、138号に被害実例(p.79)、139号には新弁護団の活動等が紹介されている(p.78)。また、137号には家族被害の救済の判例が紹介されている。なお、2(1)の判例は本号の判例和解速報を参照。

2 統一教会を巡る裁判例の紹介(法ニュースに記載なし)。

 文部科学省(文化庁)は、昨年10月13日、東京地裁に対し、解散命令の申立てをした。この申立てについては138号p.81以下で私が解説している。

 以下それとの関連で、判例等を紹介する。

(1)2024年3月26日、東京地裁が、旧統一教会に過料を命じる決定。

 旧統一教会への解散命令請求をめぐり、東京地方裁判所は「多数の被害者の財産権や人格権を侵害する違法行為が繰り返されたとみられ、法令違反の疑いがある」と指摘し、質問権の行使・・・

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