本年3月22日、小林製薬株式会社は、同社が製造販売する「紅麹」の成分を含む機能性表示食品を摂取した方から、腎疾患等が発生したとの報告を受けたとして、紅麹関連製品を自主回収するとの発表をした。その後も、死亡事例を含む被害報告が相次いでなされ、同社は機能性表示食品の撤回届出を提出したとのことである。
現時点で被害の原因は解明されていないものの、複数の死亡及び多数の入院事例が報告される重大な食品事故となっており、消費者庁も本年4月1日付けで機能性表示食品の在り方を検討する対策チームを発足させ、5月末までに機能性表示食品制度の課題を検証し改善に向けた方向性を取りまとめると発表した。
一刻も早い原因究明と、迅速かつ十分な被害救済がなされるべきことは当然であるが、今般の事故により、機能性表示食品制度の様々な問題点も明るみになり、これを機に抜本的な改正をすることは不可欠といえる。
そもそも、同制度は、一定の要件のもと、事業者が食品の安全性と機能性に関する科学的根拠などの必要事項を販売前に消費者庁長官に届け出れば機能性を表示できるものであり、機能性に関する事業者の自主的情報開示を基に消費者が商品選択を行うこ・・・
この記事は会員に限定されています。ログインしてください。
会員になるには「会員に申し込む」をクリックしてください。