小林製薬問題と機能性表示食品

弁護士(秋田) 西野大輔

1 はじめに

 機能性表示食品については、前号(139号)で触れたばかりである。前号では、日本弁護士連合会(日弁連)が1月18日に発出した意見書について報告した。

 その原稿の校了時点では明らかになっていなかった、今般の小林製薬製造販売にかかる、「紅麹」の成分を含む機能性表示食品の健康被害。問題が発覚した3月下旬以降、当該食品に関することのみならず、機能性表示食品自体に関する話題、問題点が連日、ニュース等で取り上げられている。「機能性表示食品」という言葉は聞いたことがあっても、それがどういうもので、特定保健用食品(トクホ)や、その他の「いわゆる健康食品」とどう違うのかなどについては知らなかった、という消費者も多いのではなかろうか。健康食品に関する制度の内容が広く知られるようになったのはよいことだが、そのきっかけが健康被害だというのはなんとも皮肉なことである。

2 日弁連会長声明

 今回の事態を受け、日弁連は4月11日付で「機能性表示食品による食品事故に関する会長声明」を発出した。この声明では、①国の監督機能確保のため、届出制ではなく登録制とし、安全性及び機能性の要件を満たさな・・・

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