決済代行業者に対し加盟店調査義務・登録制の導入を

弁護士(埼玉) 池本誠司

クレジットカード決済を利用した悪質加盟店の被害増大

 クレジットカード決済は、店舗取引だけでなくインターネット取引でも不可欠の決済手段である。しかし、割賦販売法の直接適用がないマンスリークリア払いのカード決済を利用した取引のトラブルが激増している。2016年割賦販売法改正により、加盟店契約会社(アクワイアラー)を中心とした「クレジットカード番号等取扱契約締結事業者」の登録制及び加盟店調査措置義務が導入されたにもかかわらず、消費生活相談件数が2017年度5万9355件から2022年度16万9440件1と2.85倍に増加している。この間、クレジット決済の利用件数も大幅に増加しているものの、マンスリークリアのカード決済件数は、2017年84億8702万1399件から2022年148億8978万2308件へと1.75倍の増加にとどまる。つまり、悪質加盟店によるマンスリークリア払いのカード決済が悪用されているケースは、利用件数の増加を大きく超えて広がっている。

決済代行業者の規制欠如が被害拡大の要因

 割販法2016年改正は、クレジット決済システムが、カード発行会社(イシュアー)と・・・

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