身寄りのない高齢者への人生の最終段階における支援のあり方

日本福祉大学福祉経営学部教授 藤森克彦

 身寄りのない高齢者は、身体機能が低下した際に、病院同行などの日常生活支援を誰に頼んだらよいか。また、病院や介護施設に入る際に身元保証人を求められた場合、誰に頼めるのか。さらに、本人が亡くなった後、火葬や家財処分を誰に託せるのか。

 人生の最終段階で生じうるこうした事柄に、これまであまり心配する必要がなかった。なぜなら、同居家族がいれば、家族が対応すると考えられてきたためである。

 しかし、現在、高齢者の約2割は独居であり、身寄りのない人も増えている。家族に頼れない身寄りのない高齢者は、こうした支援をいかに確保するかが課題となる。

 このような中、高齢者との契約に基づき、身元保証・死後対応・日常生活支援を有償で提供する民間事業者が増えている。この背景には、民間事業者の提供するサービスの使い勝手のよさがある。多くの民間事業者では、料金さえ支払えば、身元保証のみならず死後対応や生活支援をワンストップで受けられる。また、公的制度のような利用者の制限もなく、柔軟にサービスを享受できる。

 一方で、民間事業者のサービスには、課題が指摘されている。まず、信頼性の担保が乏しい点だ・・・

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