弁護士(兵庫) 古殿宣敬
弁護士(大阪) 夛田有里
第1 警察が犬猫を確保した場合の動物愛護センターへの引渡しについて
1 市民が警察に、遺失物として提出した場合
(1)この場合、警察は、当然、遺失物法4条に基づいて処理することになる。同法7条1項に定める遺失物の公告と同法8条2項に定める公表が必要となる。同法7条4項により公告期間は3か月である。ただし、同法9条2項2号により、同法施行令3条2項が定める動物は、公告の日から2週間以内に遺失者が判明しない場合は、売却が可能となる。売却ができないときは、遺失物法10条3号により廃棄処分ができる。ただし、動物は、遺失物法施行令4条1項但書で「これを引き渡すことが適当と認められる者」に引き渡すことができる。
(2)この点、現在、係争中の住民訴訟(以下、本件という)の被告である兵庫県動物愛護センター(以下、センターという)は、警察署長が、売却ができないと判断し、遺失物法10条に基づき、センターに犬の引き渡しを行い、その後センターで殺処分が行われたと主張する。センターは、遺失物法10条3号「その他売却することができないと認められるとき。」に該当するとして、・・・
この記事は会員に限定されています。ログインしてください。
会員になるには「会員に申し込む」をクリックしてください。