元朝日新聞記者 高谷秀男
九州電力がオール電化住宅向けの定型約款「季時別電灯(選択約款)」を一方的に変更して、22年10月分から電気料金を値上げした。契約件数は110万件。変更は約款に明記された平均燃料価格の上限額を撤廃するもので、この結果、筆者宅の場合23年1月までの4か月に本来の計算よりも合計2万1338円余計に料金を取られた。前年同月と比べると1月分はほぼ同じ使用量で4割近く高かった。
そもそも、この約款は契約期間を毎年4月から翌年3月までと定め、1年ずつ更新する仕組みだ。従って変更するにしても半年待って23年4月の更新時にするのが順当といえる。ウクライナ戦争による燃料費急騰は事実だが、九電は変更方針公表後の22年6月、電気利用者に劣後すべき普通株主に94億円配当し、それでもなお9月末時点で6507億円の純資産を有しており、今回の変更は値上げラッシュのドサクサに紛れた便乗値上げといえる。九電は業界団体の電気事業連合会の会長会社であり、東北電力など他の電力会社も追随するかのように同様の変更を実施した。全国のオール電化契約者の注意を喚起したい。
筆者宅は、契約者である義母が23年2月、九電・・・
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