東亜大学人間科学部特任教授 大阪カジノに反対する市民の会・代表 西澤信善
夢洲IRの区域整備計画によると、カジノ業者の年間の粗利益(GGR)は、4200億円である。言い換えれば、賭け客は全体として4200億円巻き上げられる。ゲーミングの売上げ4200億円とノンゲーミングの売上げ1000億円を合わせた5200億円がIR全体の売上げとなる。IRの5200億円の売上げを生み出す事業活動が、他の各種関連産業へ需要を引き起こす。それらの波及効果を含んでトータルで1兆1400億円の経済効果を生み、大阪経済を活性化する。これが区域整備計画の想定するところである。
区域整備計画は、4200億円もの巨額の金を巻き上げられた側に、どのようなことが起きるのかということを一切無視している。同計画の致命的欠陥である。賭博では一方の儲けは他方の損失である。であるから、儲けた側だけみて経済効果を算出するのは間違いである。では4200億円巻き上げられると、どれくらいの所得押下げ効果があるのか。他の事情を一定とし、所得のうち7割を消費に充てるとすると1兆4000億円の所得押下げ効果がある。金を巻き上げた方と巻き上げられた方・・・
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