被害者の声

川上佐永子

日弁連が2023年2月28日に開催した院内学習会での報告を掲載します。

 私の娘穂野香は、当時22歳で、2020年3月に大学を卒業し就職したばかりでした。その年の8月に投資マルチの被害に遭い、150万円の借金を背負って、2020年10月1日、自ら命を絶ちました。

1 詐欺に勧誘された経緯

 2020年8月25日から28日にかけて「インスタグラム」のメッセージ機能を介して、大学時代の友人である男性Aから投資に関する話しを「友達として聞いてほしい」と持ちかけられました。他に色々と聞いてから選択したいと娘が返信したのですが、すぐにLINEでAとAの友人B、娘の三人のグループラインを作り、娘にBを紹介しました。

 それからBによる勧誘が始まりました。Bは、9月1日までであればジエンコが自己資金の3倍の金額を貸し付けて4倍の出資額で運用させてくれるという、「レバレッジ4倍キャンペーン」なる有利な条件があると持ちかけ、今すぐやるのを強くおすすめしますと煽っていました。

 8月31日夜9時頃蛍池のマクドナルドでBとAは穂野香に対して対面での勧誘を行い、その後消費者金融3社から借入れをすすめられ、9月1日に1・・・

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