社会活動家・大学講師 柴田武男
2021年9月17日に公示された自民党総裁選は、岸田文雄、河野太郎、高市早苗、野田聖子の四人で争われ、結果、二位の河野太郎氏との決選投票で岸田文雄が総裁に決定した。この間、コロナ禍で全国各地での演説会は中止されたが、17日の公示から投票までに五回のオンラインでの演説会、討論会などが実施されて選挙公報まで公開されている。
看板替えに過ぎないという批判もあり得るが、この四人の選挙公報を検討していくとそれなりに候補者の社会像が見えてくる。新しい日本型資本主義として分配を強調する岸田の選挙公報は他の三人に比べてより具体的で見栄えがする。
首相就任後に行われた記者会見で「分配なくして成長なし」路線を説明するのだが、これに強く反応したのが、韓国のハンギョレ新聞だ。最強の日本ウォッチャーである韓国有数の左派系新聞「ハンギョレ」は、次のように記事にしている。
「韓国では韓日関係に直接的な影響を及ぼすことになる岸田政権の外交安保戦略に神経を尖らせているが、日本では「新しい資本主義」というスローガンの下、「分配」を重視する経済政策が話題になっている。
岸田首相は会見で、自ら強調してき・・・
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