海原に「虹が広がるきれいな景色」は広がるか?
─物価偽装をただす─(第15回)

フリーライター 白井康彦

 2023年2月10日、宮崎地裁で原告勝訴の判決が出ました。いのちのとりで裁判の地裁の勝敗は、原告側から見て5勝9敗になりました。直近5件の地裁判決は4勝1敗。野球の日本シリーズならこれで終わりです。原告側が勝ちにくい行政訴訟では素晴らしい好成績です。宮崎弁護団の後藤好成団長と私は、判決要旨を読みながら意見が一致しました。「原告勝訴の定跡手順みたいなものが確立した。今後はさらに原告勝訴の比率が高まりそうだ」。この原稿を読者に読んでいただく頃には、この裁判全体の形勢が「被告側ギブアップ寸前」になっていても不思議ではありません。長く苦しいわれわれの裁判闘争は、どのように決着するのでしょうか。

 いのちのとりで裁判の第1号の地裁判決は、2020年6月25日に名古屋地裁で下りました。原告側には勝訴を予想する関係者が多かったのですが、酷い不当判決が出ました。その控訴審である名古屋高裁の審理は、原告側が圧倒的優勢です。それを明瞭に感じ取れる出来事が2023年2月16日の進行協議でありました。

 この裁判では、一審原告側が2013年生活扶助基準改定行政処分の取消しを求めました。問題の行・・・

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