昆虫食とは? 何が問題?

市民バイオテクノロジー情報室代表 天笠啓祐

昆虫食とは何か?

 昆虫食は、文字どおり昆虫を食品にすることですが、現在は主に昆虫を乾燥させ粉末状にして、クッキーなどに練りこんで食品化しています。取り組んでいる企業も増え、昆虫の種類、用いられる食品の種類も増え、一種のブームに近い状態になっています。

 昆虫は、地球上に生息する生物の中で最も多様性に富んだ生物で、約100万種が確認されており、実際には3000万から5000万種ほど存在していると見られています。私たちが知らないうちに滅びてしまう種も多いと考えられています。

 昆虫は生態系で重要な働きをしており、古くから人間の食事に登場してきた種も結構多いのです。2111種類の食べられる種があると、オランダ・ワーゲニンゲン大学イデ・ヨンゲマ教授は指摘しています(ジーナ・ルイーズ・ハンター著『昆虫食の歴史』原書房)。

 古代エジプトなどで、昆虫は一般的に食べられており、よく食べられてきた昆虫に、バッタやイナゴがあります。中世以降、ヨーロッパなど多くの地域で昆虫は食べられなくなっていくのです。

 日本では、昆虫食は昔から地域の食文化として根づいてきました。その代表がイナ・・・

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