「電磁的記録」によるクーリング・オフ(保険契約)

特定非営利活動法人消費者情報ネット 河野順子

 2022年5月9日に施行された保険業法改正において、保険契約のクーリング・オフ通知方法に電磁的記録が加わった。当改正によって、保険会社へのクーリング・オフ通知手段は、従来の「書面(ハガキ等)による方法」に加えて「電磁的記録(各社のホームページ等)による方法」が可能となった。このことによって、特定記録郵便か書留の料金を支払って送付する以外に、郵便局等の営業時間外の夜間や通勤の移動中でもスマホからクーリング・オフの申し出が可能になり、消費者の利便性は広がった。保険各社は、この電磁的記録によるクーリング・オフ通知の方法を保険契約者にきちんと伝わるようにしているのだろうか。

 生損保研究会ぐるーぷ31は保険各社が電磁的記録によるクーリング・オフ通知をどのように説明しているのかを知るために保険各社にアンケート調査を行った。回答のあったほとんどの保険会社が「電磁的記録によるクーリング・オフ」について契約のしおりや注意喚起情報に記載し、そしてHP上でも情報提供している保険会社もあったが、多くの問題点があった。

〈問題点〉

① 「電磁的記録」という言葉は消費者にとっ・・・

この記事は会員に限定されています。ログインしてください。
会員になるには「会員に申し込む」をクリックしてください。