東京ミネルヴァ法律事務所破産被害対策弁護団
─弁護団声明文・現代型整理屋─

弁護士(千葉) 石川浩一郎

1 現代型整理屋の手法

 令和2年6月24日、全国で広告活動を展開し、債務整理等の依頼者を集めていた東京ミネルヴァ法律事務所が破産手続開始決定を受けた(東京地裁令和2年(フ)第3841号)。負債総額51億円(依頼者預かり金31億円、広告宣伝費等20億円)。

 東京ミネルヴァは武富士元社員兒島により、平成24年4月に開設され、兒島はリーガルビジョングループ(広告業務:(株)リーガルビジョン(LV)、人材派遣:(株)キャリアエージェンシー(CA)、コンサルタント業:(株)Lawyer’sAgent(LA))を作って、広告費等の名目で東京ミネルヴァから多額の利益を得ていた。

 東京ミネルヴァは、開設から破綻までの8期(8年間)のうち7期で売上高を超える広告費等の経費をリーガルビジョングループに対して支払っていた。東京ミネルヴァは開設から破綻までの8年間、一度も現預金残高が預かり金額を割り込む状態は解消されなかった。

 兒島らは、事務所のHP、TVCM・地方相談会等の営業企画、事務員等の人材、事務所の賃借、事務所設備(顧客管理システム等)、事務所の金銭管理等を掌握し、東京ミネルヴァの・・・

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