第13章 生活保護・福祉

弁護士(大阪) 小久保哲郎

1 はじめに

 電子商取引分野は消費者法との関係でも動きが激しく、2021年も、様々な動きがあった。中でも、第204回国会(常会)において、インターネット上のプラットフォームであるデジタルプラットフォームに関して、初の消費者保護法である「取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律」(令和3年法律第32号、以下、「取引DPF法」という)が立法されたことが重要である。他方、同じく第204回国会では「消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律」(令和3年法律第72号、以下、「特商法等2021年改正法」という)が成立しているが、同法では、特商法及び預託法において、事業者が交付しなければならない契約書⾯等について、消費者の承諾を得て、電磁的⽅法(電⼦メールの送付等)で⾏うことを可能にした点が議論を呼び、通常の施行プロセスでは異例であるが、政省令の内容について有識者会議が持たれた。ここでは、2021年における、電子商取引を巡る立法、政策の動きを、取引DPF法及び特商法等2021年改正法の成立、その後の施・・・

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