弁護士(京都) 大西洋至
第1 調査目的
ベルギーは、2014年に集団訴訟制度を導入し、その内容としてオプトアウト制度を導入していることから、ベルギーの制度と活用状況を調査することで、日本での導入可能性を探るとともに、より柔軟な和解制度の導入や、集団訴訟制度の積極的活用のための工夫等を学び、日本の制度の改善の一助となるのではないかということで、ベルギーの集団訴訟制度を調査することになりました。
調査は、2021年2月2日から同年3月31日の間の7日間(各2時間程度)で、すべてZOOMを利用して行いました。
第2 調査結果の概要
1 ベルギーにおける集団訴訟制度の概要
ア 前提条件
ベルギーの集団訴訟制度は前提条件として、①被告事業者による契約上の義務またはEUあるいはベルギーの消費者規制または法律に列挙されている行為のいずれかによる違反のおそれがある場合であること、②適切な集団代表者によって提起されていること、③集団訴訟が個々の民事訴訟よりも適切である(または優れている)場合であること(優越性)を必要としています。
イ 管轄
管轄については、ブリュッセル商事裁判所(上訴はブリュッセル控訴裁判所)が専属管・・・
この記事は会員に限定されています。ログインしてください。
会員になるには「会員に申し込む」をクリックしてください。