消費者契約法改正の動きについて

消費者契約法の改正を実現する連絡会事務局 弁護士(京都) 志部淳之介

1 改正の動き

 令和3年9月に、消費者契約法の改正に関する検討会(以下、「検討会」といいます)の報告書が公表されました(以下、「検討会報告書」といいます)。その後、検討会報告書を受けて、消費者庁において改正作業が進められ、令和4年2月現在、改正骨子案として改正内容が出されています(以下、「骨子案」といいます)。

2 骨子案の内容

 骨子案は、三つの取消権、一つの不当条項、努力義務規定の新設等を内容としています。

 具体的には、①勧誘目的を告げずに退去困難な場所へ同行し勧誘した場合、②威迫する言動を交え、相談の連絡を妨害し勧誘した場合、③契約前に目的物の現状を変更し、原状回復を著しく困難にした場合の取消権が新設されます。

 また、賠償請求を抑制するおそれがある不明確な免責条項(軽過失に適用されることを明らかにしていないもの)を無効とする規定が新設されます。

 さらに、契約解除に必要な情報提供(特に契約終了時)、解約料の算定根拠の概要の説明義務、消費者の年齢・心身の状況をも考慮した情報提供等、いずれも努力義務の規定が追加されます。

 取消権・不当・・・

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