弁護士(大阪) 木村達也
1 はじめに
消費者運動や市民運動は、その時代、その社会の矛盾や歪みの解決を目的として生まれるものである。運動が立ち上がる時はその問題が最も深刻で、当事者は懸命にその解決に向けて取り組むものだ。しかし、その問題の解決が図られたり、代替えの手段が生まれたりすると、その運動は自ずと消滅せざるを得ない宿命を負っている。消費者運動や市民運動は「淀みに浮かぶ泡沫」であり、永続的なものではないし、また、あり得ないものである。その役割を果たせば消えてゆかざるを得ない運命にある。流れに抗って運動を続けても世論の支持も得られず、消耗戦に陥るのみである。そういう意味で消費者運動、市民運動に関わる者は自ずと世の中の動きに合わせて効果的に効率的に運動を進めなければならないし、終息させなければならない。
2 消費者運動の主体別特徴
これまで30回に亘って「消費者運動の歴史」と題して、私達が中心となって取り組んだ消費者運動の実情を書き続けてきた。これらの活動を運動主体別にその特徴を記せば、以下のようになると思う。
(1)弁護士会の消費者保護委員会での活動(日弁連、大阪弁護士会、近弁連など)
大阪弁護・・・
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