消費者契約法3次改正

弁護士(大分) 井田雅貴

1 困惑類型の脱法防止規定

 本検討会報告書は、下記内容で、現行法第4条第3項第1号、第2号、第7号、第8号の各号と実質的に同程度の不当性を有する行為について、脱法防止規定を設けることが考えられる、としている。

 即ち「上記四つの各号の受皿であることを明確にすることにより、これらと同等の不当性が認められる行為を捉えることを明らかにしつつ、例えば、その場で勧誘から逃れようとする行動を消費者がとることを困難にする行為という形で類型化することで、事業者の威迫による(威力を用いた)言動や偽計を用いた言動、執拗な勧誘行為を捉えることが考えられる。その際は、対象となる行為をある程度具体化した上で、正当な理由がある場合を除くなど、評価を伴う要件もあわせて設けることで、正常な事業活動については取消しの対象にならないよう調整することが可能な規定とすることが考えられる。」というものである。

 困惑類型に脱法防止規定を設けるという方向性は大賛成である。

 消費者が「困惑」させられる事業者の勧誘行為態様は多様であり、個別に不当な勧誘行為を明示するだけでは、消費者被害の後追いにもなりかねない。不当な勧誘・・・

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