日本の民主主義運動強化のために(27)
—会議制民主主義の徹底—

弁護士(大阪) 木村達也

1 リーダーの選択

 市民運動、消費者運動というのは、既成の秩序を変革して、新しい価値、新しい秩序を作ろうとする運動なので、有能なリーダーがいなければその運動は成功しない。有能なリーダーというのは、先ず、日頃の言動の中で、その仲間内に自ずと信頼や尊敬を勝ち得ている者ではなければいけない。ある日突然、仲間内の一人に強力な指導力・統率力が生まれるということはあり得ないからである。人にはそれぞれ向き不向き才能というものがあり、その地位につけば能力が開花するものではないのだ。

 特に市民運動や消費者運動はボランティア活動であるから、金を貰って、給料を貰って、トップの指揮命令に従うというものではないだけに、仲間内の共通目標とトップのリーダーシップが不可欠である。

 組織に人を得なければ、特に事務局長に人を得なければ、どれだけ崇高な理念や目標を持つ有力な集団であっても、運動は成功しない。この人事こそ最大の課題である。

 事務局長が仲間内のメンバーに的確な指示を出し、必要な職務分担、役割を決めてこそ組織は動き出すものだからである。このリーダーシップというのは、その人の知識、学力、年齢、性別、・・・

この記事は会員に限定されています。ログインしてください。
会員になるには「会員に申し込む」をクリックしてください。