投資用マンション被害

弁護士(東京) 田上 潤

1 はじめに

 近年においても、投資用マンションの勧誘・購入に関するトラブルは多数生じている。PIO-NETにみる投資用マンションに関する相談件数は2018年度は1350件であり、20歳代の若者からの相談件数が年々増加しているとされている1

2 トラブルの実情について

(1)勧誘の端緒

 勧誘の端緒としては、①自宅や職場への訪問・電話、②街頭でアンケートや名刺交換を頼まれたことを契機にした勧誘、③婚活サイト・合コン等男女の出会いの場での勧誘(いわゆるデート商法的勧誘)が多い。

 ①②については、当初はマンションの勧誘が目的であることを明示されないケースも多い。また、マンションの勧誘であることが判明した後に勧誘を断る意思を表示しても勧誘をやめてもらえない。

 ③については、勧誘担当従業員は、実際にはマンションの勧誘目的であるにもかかわらずそれを秘したまま、恋愛等の相手を探しているかのように装って出会いの場等に参加し、まずは将来の恋人候補等としての立場を作る。その上で、「営業」としてではなく「個人的なアドバイス」であるかのように偽り、優良な運用方法・節税方法としてマンション購入を勧め・・・

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