2023年度「ネット取引なんでも110番」実施報告
─ネット広告、副業サイト、定期購入などなど─

(公社)消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会(NACS)東京相談室副室長 松本恭子

はじめに

 NACSが1988年の設立以来、一貫して取り組んできている「消費者トラブルなんでも110番」は今回で36回目となりました。「110番」に寄せられた相談事案については、解決を図るための助言はもちろん、内容を分析のうえ、報告書としてまとめ、行政機関・企業・業界団体などに配布するとともに、提言などを通じて法律の制定や改正などの意見として活用しています。

2023年度のテーマについて

 新型コロナウイルスの影響による新しい生活様式への変化と老若男女を問わず様々な年代にスマートフォンが普及したことにより、多くの消費者がインターネットによる様々なサービスを日常的に利用する機会が増えました。「詐欺的な定期購入」によるトラブルの増加を受け、特定商取引法が改正され、特定申込みに係る確認画面の表示義務や通信販売の取消権が新設されましたが、トラブルの減少には繋がっていないように思われました。そこで、今回も昨年に引続きネット取引の問題に焦点を当てて「ネット取引なんでも110番~ネット広告、副業サイト、定期購入などな・・・

この記事は会員に限定されています。ログインしてください。
会員になるには「会員に申し込む」をクリックしてください。