消費者庁に情報公開を求めて最高裁へ
─曲がり角の食品行政─

食の安全・監視市民委員会共同代表 原告 佐野真理子

消費者の権利が無視されている

 私が公開を求めたものは、機能性表示食品の市販後調査の一環として消費者庁が実施した「事後検証結果」の資料で、その公開請求を同庁が不開示決定したことが提訴のきっかけだ。この「事後検証」は、事業者からの届出情報の正確性を担保するために、消費者庁が市販食品を対象に実施したもの。概要のみ公開し、分析方法の不備や品質が管理できていない製品名等の情報については、不開示だった。

 原告弁護団として、神山美智子さん、中下裕子さん、中村晶子さん、成嶋悠子さんの四人の弁護士が担ってくださった。裁判では、これら四人の弁護士の力強い積極的支援に加え、多くの消費者が裁判をサポートしてくださった。

機能性表示食品制度

 機能性表示食品制度は2015年4月1日にスタートし、法律ではなくガイドラインで運用している。そのガイドラインは二日前の3月30日に決定された。

 この制度は、事業者の責任において科学的根拠に基づいた機能性を表示できるもので消費者庁への届出を前提とする。特定保健用食品(トクホ)や栄養機能食品など他の保健機能食品とは異なり、事業者任せの制度・・・

この記事は会員に限定されています。ログインしてください。
会員になるには「会員に申し込む」をクリックしてください。