第8次消費者委員会とその取組み

内閣府消費者委員会委員長 慶應義塾大学大学院法務研究科教授 鹿野菜穂子

 令和5年9月に第8次内閣府消費者委員会が発足し約10か月が経過しました。ここであらためて、同委員会の特徴とこの間の活動等についてご紹介させていただきます。

1 第8次消費者委員会の委員構成と特徴

 第8次の消費者委員会は10名の委員によって構成されていますが、そのうち2名が第7次から続投で、他の8名は新規就任です。

 メンバー構成を見ると、10名のうち、7名が大学に勤める研究者で、その専門は、「民法、憲法・情報法、行政法、経済学、消費者教育、医療・食品安全」など、多岐にわたります。このほか、弁護士、相談員として消費者問題に関わって来られた方が各1名、事業の経営に携わって来られた方が1名おられます。

 全体としてみると、消費者法制の在り方に関心をお持ちの方が多いこと、デジタル分野に深い知見をお持ちの方が複数おられることが特徴です。

2 発足当初の活動

 当委員会の発足後、最初の3回ほどは、各委員の関心事項についてプレゼンテーションをお願いし、それに基づく意見交換をして、問題意識の共有を図ってきました。ここでの意見交換は、第8次消費者委員会・・・

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