食の安全・市民ホットライン事務局長 西原崇文
序論
2024年5月13日現在、入院275名、死者が5名出ているとされる小林製薬の紅麹サプリ問題1をきっかけに、機能性表示食品制度が、一般社会で大いに関心を集めている。過去、機能性表示食品制度については、消費者保護の観点から、食の安全・市民ホットライン(以下「ホットライン」とする)の事務局運営団体・食の安全・監視市民委員会が様々な提言をするなど、多くの消費者団体による活動が行われている。そこで、本稿では、ホットラインが扱った過去の機能性表示食品の不具合事案を検証しつつ、今後の消費者被害軽減のために何が必要であるか論じる。
ホットラインに寄せられた機能性表示食品の不具合情報
2024年5月15日現在、ホットラインでは、過去通報があった機能性表示食品に関して、2件の不具合情報を掲載している。また、そのうちの1件では、当消費者法ニュース108号にて報告をしているが、機能性の表示基準違反の不具合に関して、当該事業者や行政などに問題の是正を働きかけるホットライン活動も実施していた2。
ホットライン活動で引き出した政府からの回答
この当時のホットライン活動では、当・・・
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