会わずの弁護士・司法書士から着手金を取り戻そう!

弁護士(大阪) 小久保哲郎

困窮者を食い物にする「会わずの弁護士」

 私は、自治体の生活困窮者相談窓口職員や支援団体関係者からの紹介などで、月7~8件程度の自己破産を申立てている。依頼者は生活困窮者なので、一部の例外を除いて、弁護士費用は民事法律扶助制度を利用している。こうした事件の処理をしていて、近時、「大量広告事務所」の「会わずの弁護士・司法書士」崩れの事件に遭遇することが増えていた。

 借金の返済に困った依頼者がスマホで相談先を探し、出てきた法律事務所に連絡を入れると、一度も面談することなくSNSや電話のやり取りだけで任意整理を依頼することになる。ここで問題が二つある。

 1点目は、本当は自己破産を申立てた方がよい返済不能事案であっても任意整理に誘導される点である。自己破産申立ては、さまざまな資料を集めて申立書類を作成する必要があるため、弁護士にとって事務処理が簡便な任意整理に誘導されるのである。

 2点目は、弁護士費用が極めて高いことである。旧法律相談センターの報酬基準では任意整理の着手金は1件あたり2万円(消費税別)で、その基準で受任している弁護士が多いと思うが、会わずの弁護士は、例えば債務額・・・

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