(一社)全国消費者団体連絡会 事務局次長 山田浩史
はじめに
昨年、全国消団連の浦郷事務局長(当時)が寄稿した消費者法ニュース2022年10月号において、「LP ガス取引透明化問題に関する消費者団体の取り組みについて」を紹介した。その中で、特に新築の賃貸集合住宅のガス供給契約を得るためのガスコンロや給湯器等の設備機器の無償貸与等の商慣行が問題であることを指摘し、各地域の消費者団体と連携しながら、LPガス料金が消費者に分かりやすく提示されることを求めて取り組んでいく、とまとめている。
今回はその続きとして、昨年2022年9月に開催した学習会で呼びかけた内容、2023年3月2日に再始動した「液化石油ガス流通ワーキング(以下、WG)」において資源エネルギー庁より提案があった商慣行是正に向けた対応方針や議論状況を紹介しつつ、料金ではなく、無償貸与の大きさでLPガス事業者が決まり、消費者が十分な情報を提供されず、消費者に選択の機会が事実上ない賃貸集合住宅における問題点、今後の方向性について整理した。なお、2023年7月末時点の情報や状況を踏まえて執筆している点、また個人的な意見も含まれているこ・・・
この記事は会員に限定されています。ログインしてください。
会員になるには「会員に申し込む」をクリックしてください。