NPO法人消費者支援ネットくまもと理事長 青山定聖
1 はじめに
当法人は、平成30年から熊本県議会に対して「地方消費者行政に対する財政支援(交付金等)の継続を求める意見書」の提出を求める請願活動を継続しており、毎年、議会の御理解もいただき、採択していただいています。
なぜ、適格消費者団体が、地方消費者行政に対する予算措置についての活動をするのか。
今回は、地方消費者行政継続の必要性と行政との連携について述べたいと思います。
2 請願の必要性
消費者庁は、令和4年の消費者被害・トラブル額は、約6.5兆円と試算しています。このような消費者被害を防止・救済するために、すべての地域において専門の相談員による相談を受けられる体制とすることが必要で、そのためにも、地方公共団体が消費者行政を推進していくことが喫緊の課題と考えています。
しかしながら、現在、地方消費者行政は衰退の岐路に立たされています。
消費者庁が地方消費者行政に対して措置する交付金の額は、消費者庁創設時に比べ大きく減額され、それにより、地方公共団体は、消費者行政を推進するために必要とする交付金を確保できず、事業を廃止ないしは縮小しなければならない・・・
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