認可外保育施設に対する申入れ

消費者被害防止ネットワーク東海検討委員 弁護士(愛知) 石井健太郎

 当法人は、岐阜市に本拠をおく株式会社が経営する認可外保育施設が使用していた契約書の条項について申入れを行いました。当法人の主張に沿う内容に契約書の条項を改定する旨の回答をいただきましたので、報告します。

1 改訂前の条項

 上記事業者が使用していた契約書には、以下の条項がありました。

① 「一旦納入された諸費用の返金は理由の如何に関わらず返金されないものとする。」

② 「私の子どもはGMS(執筆者注:認可外保育施設の略称)の管理下にあり、事故が起きた場合、GMSおよび監督責任者が善処することを理解し、加入している保険以上の責任を負わないことを承諾します。」

2 申入れの内容及び理由

(1)上記①の条項(以下「不返還条項」といいます)について

 不返還条項は、「解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項」(消費者契約法9条1項1号)に該当するものであるところ、事業者による保育役務が提供されるよりも前の時点において保育委託契約が解除された場合等には、事業者に「平均的な損害」は生じないから、不返還条項は消費者契約法9条1項1号に違反・・・

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