優生保護法訴訟と生活保護基準引下げ訴訟原告団・弁護団による共同シンポジウム

全国優生保護法被害弁護団共同代表 弁護士(宮城) 新里宏二

1 シンポ開催の意義

 2022年11月19日(土)京都において、優生保護法訴訟と生活保護基準引下げ訴訟の原告団・弁護団による、「個人の尊厳を守る! 輝く勝訴判決を生かせ!」との共同シンポジウムが開催された。

 1948年国会は優生保護法を全会一致で成立させ、国は、優生思想のもと、障害のある者が自由に子どもを産み育てる権利を法律によって奪ってきた(1996年、国会は同法のうち優生思想に基づく条項を廃止して名称も母体保護法と変えたものの、当時は合法として謝罪も補償もしなかった)。また、国自身が健康で文化的な最低限の生活水準として支給してきた生活保護費を社会保障費削減という目的のみをもって減額した。こうした暴挙に対し、優生保護法訴訟と生活保護基準引下げ違憲訴訟が全国で取り組まれている。

 優生保護法訴訟においては、2022年2月に大阪高裁で、同年3月に東京高裁で被害者を救済する逆転勝訴判決が言い渡されたものの、両訴訟は上告された。上告に合わせ記者会見した松野官房長官は、二つの高裁判決を踏まえ、金額の引上げも含め国会と相談すると述べたが何ら進展は・・・

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