いのちのとりで訴訟兵庫弁護団+優生保護法国賠請求兵庫弁護団

弁護士(兵庫) 藤原精吾

1 昨年(2022年)11月、生保基準引下げ違憲訴訟と優生保護法被害国家賠償請求訴訟が共同して、原告、弁護団のシンポを開きました。求める判決や運動の目標がちがうのに、なぜ両訴訟が一緒に討論をしたのでしょうか。

 国の政策の違憲性を追及し、その変更と損害賠償を求める政策転換を求めていることは共通です。しかも同一事件で、全国で訴訟が提起され、論点は共通なのに、勝敗の結果が二つに割れているのです。

 いのちのとりで訴訟(生保基準引下げ違憲訴訟:いのとり訴訟)では最初に名古屋地裁で敗訴判決が出て、その後8地裁で敗訴が続いたのち、大阪、熊本、東京、横浜、宮崎5地裁で勝訴しています。

 優生保護法被害国賠訴訟(優生訴訟)では最初仙台で予測しなかった敗訴、その後6地裁で敗訴が続きましたが、大阪高裁、東京高裁で逆転勝訴し、その後も大阪地裁2次訴訟で敗訴判決が出て、今年1月23日には熊本地裁、2月24日に静岡地裁で勝訴しています。

 基本的な事実関係と論点が全く共通の事件なのに裁判所により結論が正反対になるのは何故か、また敗訴が続いた後に逆転を可能にしたのは何か、これがシンポで私に与えられたテーマ・・・

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